太陽光発電システム出力低下とパネル交換(2021.11.8修正)

年月 内容
2010/5 さくらココ、青森県に単身赴任。
2010/7/23 一般に太陽光発電システムは、故障が少ないと思われているが、太陽光発電所ネットワークPV-Net会員に対する調査によると故障率は3割を超えており、特にパネル故障は15%も発生している。このため太陽光発電システムはメンテナンスフリーとはいえない。
2012/7 シャープがwebで2012/7現在システム10年保証書が有効なとき、15年保証への切り替えについて案内。切替期間2013/4〜2014/3。
乖離度の低下傾向があり、15年保証への切替に期待する。
2013/3 さくらココはユーザ自身ができる保守・点検として「年乖離度」により自分のサイトを評価してきた。
システム設置後10年経過。乖離度グラフで低下傾向認めるも、15年保証への切り替え期待と青森県単身赴任状態につきメーカ連絡は控えた。
次のグラフは2014/9までのデータによる。

2013/3 PV-Green脱退
2013/5 PV-Net退会
2013/6 システム10年保証に入っていなかったため、15年保証への切替ができないことが判明した。(工務店が機器と工事を分離して発注したため、システム10年保証の条件が整っていなかった。)
有効だった製品保証書は、2003/3から保証期間1年、太陽電池モジュールのみ10年間保証。
2014/7 さくらココ単身赴任解除
工務店を経由してシャープに出張修理依頼(出張修理依頼書別紙
2014/7/29 出張修理依頼に基づき障害調査が行われました。
・シャープエンジニアリング作業員ニャンコ殿1名来所。
・パワコンディショナーでテスターで開放電圧測定後、出力測定が行われた。
・パネル枚数について質問があり図面を基に21枚を回答。

以下ニャンコ殿より説明があった
・出力が新設時に比べて6割から7割程度に低下している。(早朝であること、温度特性については今回評価していないのでさくらココの評価と矛盾しない)
・出力を回復させるにはパネルの交換が必要である。何枚交換する必要があるかは、屋根からパネルを下して測定しないとわからない。作業は足場、電動梯子を仮設し、1日で終了する。
・有償である。工事費は過去の例では(40万円〜50万円)+パネル代

さくらココより設置後9年(パネル保証期間内)で顕著な低下が始まっているのでパネル代は保証対象にならないかと尋ねたが、シャープが測定した現在のデータで判断する(10年以内で点検していれば保証の対象になっていたかも)ので難しいと説明があった。8/8までに見積書を提出してもらうこととした。
2014/8 8/8に自宅にニャンコ殿より電話があり、見積書提出に時間を要するとのこと。8/13要望書郵送。
2014/9/4 「ソーラークリニック登録発電所の出力低下の状況」をまとめた。参考として9/6にニャンコ殿に郵送した。
概要
さくらココ太陽光発電所(2003/3設置、シャープ製、2.73kW)は、H26.7.29シャープ・エンジニアリングの点検により出力低下が確認されている。ソーラークリニックは、太陽光発電システムの発電性能をチェック(自己診断)するためのサービスを提供しているが、ここに登録された発電所データを分析したところ、さくらココ太陽光発電所と同様に出力低下している2003年頃設置のシャープ製発電所が確認された。
本文
別紙(1)パネル面年間日射量比(2013年8月~2014年7月)の分布
別紙(2)出力低下率10%以上のシャープ製発電所のパネル面年間日射量比の推移(特にALPHA殿はさくらココの低下傾向とそっくりである)

別紙(3)パネル面年間日射量比(2013年8月~2014年7月)の分布(4発電所削除)
2014/9/7 シャープエンジニアリングのニャンコ殿より
「シャープ事業本部と打ち合わせた結果、10年以内の故障として扱い、無償でパネル取替工事を行う。」
と連絡がありました。取替工事を承諾しました。工事内容は次のとおりです。
・時期は、9月か10月。日程を工事業者(日曜は休日)と調整して連絡する。作業は1日。
・雨天や強風でなければ予定日に実施する。
・パネル(21枚)を地上に降し、地上で点検、不良なものを良品と取り替えて屋根に上げる。
・取替えの基準がある。出力は定格の0.9*0.9=81%以上、外観の異常がないことなど。
・試験の光源は、太陽光。曇りでも、良品との比較で良否の判断はできる。
工事日はその後の調整により10/16となりました。
2014/10/15 パネル交換枚数の推測
1.乖離度は21.5%
9月末での乖離度は、添付の図のとおり-17.5%です。これは過去1年間のデータにより計算しているので、今回のように低下し続けている場合は、過去6か月分の変化-4%を加算し、現時点での乖離度は-21.5%と評価します。
2.良品のブロックの出力は定格の95%、不良のブロックの出力は定格の0%と仮定
一枚のパネルは3つのブロックに区分されそれぞれバイパスダイオードにより保護されています。もしブロックの中の一つのモジュールが故障したときはバイパスダイオードが動作してそのブロックを除外します。ブロックの出力は0%となり、またそのパネルの出力は67%となるので、取替え基準に基づき交換となります。良品については若干の経年劣化5%を見込んでおきます。
3.不良品のブロックの個数y
良品のブロックの個数y、不良品のブロックの個数yとして連立方程式を立てると。
x+y=63
x*0.95+y*0=63*(1-0.215)
0.95x=49.455,x=52
y=63-x=11
不良のブロックは11個。異なるパネルに生じているとすれば、パネル交換は11枚となります。
パネルは全体で21枚なので半分は交換と推測します。
2014/10/16 1.20枚/21枚交換
 シャープ殿が予め20枚(NT132AKZ)の交換用パネルを用意しており、使用している21枚のパネル(NE130AJ)の中で程度の良いもの1枚を除いた20枚を交換した。この修理方法はシュープ事業本部からの指示で、出力低下時は全数取り替えることはなく、最低1枚は残すそうである。前日に11枚のハネル交換を推測しておりこれを大幅にうわまわっていたこと、交換しなかった1枚が将来劣化して出力が低下しても大勢に影響がないと考えられたため、この修理方法を了承した。
 NT132AKZは修理用のパネルでカタログ等には出てこない。NE130AJは多結晶型であったが、NT132AKZは単結晶型で同サイズである。パネルには製造番号と最大出力が印字されている。NE130AJの最大出力が130〜135W程度であったが、NT132AKZは公称132Wでありながら最大出力が150W程度となっており、発電電力量Whの増加が期待できて楽しみである。
 作業は9時頃開始し、単管足場とパネル上げ下ろし用電動スライダ設置後にバネル全数取り外し、地上に下ろして昼食休憩となった。午後は新品20枚と程度の良い1枚のパネルを屋根に上げて取付後、スライダと単管足場を解体し、4時前には作業終了した。
 シャープエンジニアリング殿は、多忙のため程度の良いもの1枚を選ぶ作業のみ立ち会い、交換作業は工事業者殿に任せていた。このため交換後の点検はシャープエンジニアリングニャンコ殿が10/18に実施した。
2.パネル外観異常
 ほとんどのパネルに写真の丸印に示すスジが見られました。このスジはガラス表面ではなく中側に空気が入っているように見えました。1つのパネルに10本ぐらいのスジが生じているものもありました。シャープエンジニアリング殿に尋ねましたが、初めて経験する事象のようでした。さくらココは外観の異常がなく、電気的特性の程度の良いものを残してもらうようにお願いしましたが、シャープエンジニアリング殿が多忙だったこともあり、結局スジは3本あるが電気的特性の程度の良いものを残しました。
 後日このスジについて友人より「セル割れ」ではないかと指摘がありました。またこのようなスジを「スネイルトレイル」(snail trails:かたつむりの通った跡)とする記事を見つけました。「セル割れ」や「スネイルトレイル」だとすると現在のところ電気的性能は維持されているものの、(将来)ホットスポットとなり安全上の問題に発展するリスクが生じるので、シャープエンジニアリング殿に尋ねたところ、次のとおり「樹脂の変色で安全上の問題は生じない」と説明がありました。
 ・今回のパネルのスジは、工場で現物を調査した結果、樹脂の変色であった。
 ・樹脂はパネル面全体に一様であるが、樹脂の変色は樹脂の充填時のばらつきが原因となってスジ状になることもある。
 ・樹脂の変色は、パネルの出力に影響を及ぼさないし、発熱等の安全上の問題も生じない。
 ・スネイルトレイルは、マイクロクラックのある場所にガラス面等のひび等から湿気、空気が侵入することで生じる。今回のパネルには、そのようなひび等はなく、スネイルトレイルではない。
スジの発生したNE-130AJ使用継続に対して大変重要な判断根拠になると思われたので、作業報告書等の文書をお願いしたところ、12/7結局作業報告書に追記いただいた。

パネル裏面の一部に熱による変色が生じているパネルが1枚ありました。
パネル型式と出力低下率 ソーラークリニック管理者殿を経由してALPHA殿と連絡がとれました。
・さくらココとメーカ、型式が同じである。(シャープ製、NE-130AJ、2003年6月運用開始)
・2013年12月に15年システム保証への切り替えのためのメーカ点検を受けたが、「異常なし」と判断された。
・さくらココからの連絡に基づきメーカ点検を受け、出力低下が確認された。
・15年システム保証に基づき、2015/1/23にパネル32枚中16枚を交換した。
バネル型式と出力低下率について表を作成しました。

ALPHA殿も出力低下しているし、NE-130AJに対してシャープが点検する計画がないか、シャープエンジニアアリングニャンコ殿に尋ねたところ、
「相当な年数を経過しているもので、シャープから点検する計画はない。お客様から点検の要望があった場合に対応する」とのことでした。
2015/1
まとめ
・「年乖離度」による評価は、有効である。
・今回の出力低下は、低下の傾きが徐徐に大きくなってきている。おそらく製造上の問題から早期に寿命に達したと推測する。良品として使用を継続している1枚も、外観異常が生じており、遠くない将来故障する可能性がある。同様に出力低下しているALFHA殿も同じような外観異常が生じているのだろうか。
・10年程度で出力低下するようなものでは困る。(シャープのWEBには「太陽電池モジュールの寿命は平均して20年以上です。」と書いてあり、(2021/11WEBからの削除確認)実態もそのようであってほしい。)
・現実には10年程度で出力低下するものもある。従ってユーザとしては、「年乖離度」等の方法で評価し、システムを維持する必要がある。また、異常を発見しても修理はパネル交換でしか対応できず、かなり費用もかかるので、投資回収が終了するまでの期間は保証制度で担保しておく必要がある。これから太陽光発電を始める人は、自己負担があっても15年位の保証には入っておくべきである。
2021/7
パネル健全性評価
・長州産業製家庭用蓄電池(ハイブリット型パワーコンディショナ含む)導入検討に伴いパネル系統電圧(7直列3並列)を測定したところ、開放電圧は各系統とも205V前後(パネル当り30V程度)で良だが、動作電圧が系統3が系統1,2に比べて30V程度低下していた。
・シャープのカスタマーサービスに点検を依頼し、IV特性等測定を行い、系統3不具合(出力低下、ハネル1枚(推測)不良)と確認された。
・処置についてはパネル手配終了につきバイパス処理推奨であるが、不良パネルの特定、そのバイパス処理に作業足場が必要になるめため、別途計画の屋根リフォームに合わせて実施することとした。
・2014/10にパネル20枚/21枚交換しているが、不良パネルは交換しなかった残りのパネルと推測される。2003年に設置したパネルは、18年経過により全数が交換または不良となったと思われる。
・次の乖離度グラフ補助線のとおり出力低下は10年間で6%程度の傾きであり、システム全体としては自然劣化の範囲に止まっている。

さくらココのページへ